芍薬

 芍薬=ヴィヴォワンヌ

 つぼみの時と開花したときにこれほどの

違いを見せてくれる花を私は知らない。

つぼみは堅くそして頑だ。

時間をかけてゆっくりと時を楽しみ

見るものをじらすかのように少しずつ

開花していくその様は

芍薬からヴィヴォワンヌに変身するのだ。

どちらの名前もまさにそのもの

咲きほこるその存在感は他の花を圧倒させる。

芍薬の持つ妖しさや華やかさ、そして

儚さ。

そこに年齢を重ねた女性にしかわからない

思いをたぐり寄せるのは私の独りよがりな

思いだというのは言うまでもない。


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